2011-09-24 17.32.03EMO MILANO 2015 REPORT

 

内容が濃いのですが、忍耐強くお読みくだされば幸いです

 

 

数十年もの前に、海外に詳しい方から聞いた内容をいつも思い出します。

EMOを見るなら専用機。日本には汎用機しかない。その違いをよく見なさいと

この言葉は、EMOを訪れるたびに理解を深めるものです。

 

それは、一回の段取りで、加工が終わると完成品という考え方。

今の日本は世界に目を向けて、この考え方に立たなければならないと、改めて思わされました。

 

でも何故欧州の機械メーカーはそれを古くから積み重ねてきたのか?

そして何故日本の機械メーカーは汎用機の歴史を繰り返すのか?

 

この答えは、同行された会社の社長が番たび繰り返されてお話しされていた内容でした。

『日本では数少ない量かもしれないが、世界中からごっそりその注文を取れば良い!!!』

実に明快です。

 

ここで大陸から見た日本のデータをお示しします。

 

欧州は大陸の分け方こそありますが、地続き。

世界の総陸地面積は148,940,000㎢。

日本の国土 377,97㎢ 総世界陸地との割合 0.25%

 

イタリアの国土 301,336㎢ 総世界陸地との割合 0.2%

ドイツの国土 357,121㎢ 総世界陸地との割合 0.24%

スシスの国土 41,285㎢ 総世界陸地との割合 0.03%

 

アメリカの国土 9,629,091㎢ 総世界陸地との割合 6.5%

 

この5カ国は世界の工作機械メーカーの代表国です。

 

世界の物作りはアメリカが衰退し日本へ移り、日本の作るものが世界へ売れる時代がありました。

しかしガラパコス化が進み、その製造工場も中国、アジアへ行ってしまいました。

 

余談ですが、その恩恵を受けた中国やアジアの富裕層が、銀座や表参道の高級品を買いあさっていたことは、私は日常的に見てきました。

 

そしてEMOに行ったら、ミラノでも、沢山のそれらの富裕層がバク買いしていたことに、私は本当に驚かされ苦笑したのです。

 

『なに、ここでもかよ 笑』

 

アメリカは製造業からソフトITへと突き進み、欧州は高付加価値な物作りへと進化してきました。

Microsoft、Apple、Google,FaceBook

 

一方日本は相変わらず日本国内で作る方法に凌ぎを削っていますが、その本当の競争相手を見余っています。

その競争相手は中国や韓国台湾ではなく、実は欧州の物作りだったのです。

欧州勢は、一回の段取りで完成品という、到底想像もできない考えて方でその時代を乗り切ってきたのです。

 

その答えの幾つかが

ここEMOで見ることができました。

 

我々が学ばなければならない物作りは、機械だけではなく、工具やcad/cam、自動化やその他の製造検討。

 

つまりマシニングで加工する内容を工具研削盤や円筒研削盤に置き換えたり、複合加工機や複合旋盤で検討したり、または板金溶接構造で作ってみるとか、Fiber Laserで切断するなどそのアイデアは沢山あります。

 

でも皆さんがご覧になった機械や加工方法は、EMOに行かなければ見られなかった。知ることもできなかった。

つまり、日常的にはアイデアの外にあるということです。

 

上の国土の比較にあるように、世界は大げさに言えば車で簡単に移動できる距離にあり、我々は飛行機で12時間移動しないと、最先端の情報を仕入れられないということかと思います。

 

したがって、企業のトップに立つ人たちは、チャンスがあれば何度でもこのような展示会に行かれた方がいいと思います。

 

そして、通訳は必須です。

観光ガイドができる程度では、全く役に立ちません。

今回もその経験をすることとなりました。

それでも何とか経験の中で理解することができたことは、大変幸運なことでした。

 

EMO会場内には、言葉の不自由さを持て余し、なんとも勿体無い時間の使い方をされている方々がおられるなと、甚だ心配をしたことでした。

それでも、何かを掴んで帰ろうとする真剣さの伝わる方々もおられたことは、これもまた安心する内容でした。

 

したがって、専門の知識や経験のあるパートナーとの訪問がなければ、ただの物見遊山な観光旅行になってしまう。

私はその事だけには細心の注意を払って、このツアーを企画したのです。

 

今回私と同行された皆さんが共通の感想として述べられた事は実に的を得ていました。

そろそろ汎用機から専用機に考え方だけでも脱皮する。

その具体的な方法は?

 

  • 従来の物作りの見直し  ⇨ 安く加工するから早く加工するへ
  • 工具やCAD/CAMの見直し ⇨ 欧州の最先端を知らないと比較できない
  • 自動化の必要性を見直す ⇨ 工程内の標準化を見直す
  • そして島国日本から脱出するアイデアをどうやって手に入れるか ⇨ やはりEMO視察今回の報告はごく一部の内容です。遠慮なくご一報ください金井

 

  • 詳しくは訪問での対応とさせていただきます