いよいよ2日目の視察になります。
長旅の疲れと、時差、それに押し寄せる西洋の文化に混乱している方々が多く、見ている私も何故か微笑んでしまう様でした。

大丈夫ですか?と声をかけると軽く頷く方や、よっしゃーと頑張りを見せる方。
そんな方々を引率しながら、ICEでブレーメンからハノーファーまで移動します。

そして巨大なEMO会場へと突き進みました。

朝一番のアポイントは、INDEX TRAUB社 ドイツの企業で、スイスタイプのCNC自動旋盤、複合加工機の圧倒的な存在メーカです。
日本の企業でも、早くからこのメーカに目をつけた会社は多く、導入後の効果は計り知れません。

私もこのメーカと出会い、強く思わされたのは、この機械の存在を知らない方々が、日本の機械基準でしかその加工の限界を知らないということ。
それはつまり、日本の最高級の機械が音を上げる難削材の加工にもし限界を感じたら、ご自身の腕を疑うか磨くかの判断しかなく、その先の道しるべがないということでした。
これは実に不幸なことだと思うのです。
そんな思いを抱きながら、この機械を多数ご覧になりたいというお客様をお連れし、INDEX TRAUB社のブースへ参りました。

目の前に広がる光景は、まるで別世界。多くの方々がこのブースを訪れ、欧州の方々にしてみれば通常の機械検討の中の一機種を見学する様な様子。
そして我々は、日本では見られない様々な仕様の機械を食い入る様に見るのです。

説明は勿論日本語で丁寧に丁寧に行い、日本から持ち寄った様々な疑問や検討事項に対して回答してもらいます。

目の前に置かれる多数のサンプルは、高付加価値なものが多く、この機種を検討するヒントを与えてくれている様でした。
SUS、チタン、インコネルその他難削材
それらの加工時間がしっかりと明記されていて、見る我々を驚かせるのです

【主な特長】
1.インデックスの機械剛性が可能にする仕上げ工程でのオーバーラップ加工
2.コンパクト設計により熱変異とアイドルタイムを最小限に抑制
3.高速加工を追求し、メインスピンドルと同等の高出力カウンタースピンドルを搭載
INDEX Aerospace Solutions
https://youtu.be/1Audh5u1eZ0

まさにこの通りに加工して結果を出すマシン。
日本のモノ作りは工程をまたぎます。
したがって段取りが増え、精度を出すのに苦労します。

一方INDEX TRAUB社を含む欧州のハイスペックマシンの共通したプロセスは、ワンチャック・ワンフィニッシュ。つまり一回の段取りで最終加工まで済ませる。
この手の機械は、私が初めて知ったその時代は、30年ぐらい前のことですが、専用機と言われました。
今でも欧州の機械をその様に勘違いされている方々もいます。

しかし日本同様、欧州も、世界も、モノ作りの量も種類も大きな変革を強いられ、今ではINDEX TRAUB社を含むハイスペックマシンは、変種変量対応になっています。

段取りを仕事とするのか?コストをかけて人海戦術で行くのか?
アジア勢と競争するには余りにも厳しい現実が見えてきている様でした。

本日はここまで